子供は眠たくなると、身体が温かくなりますよね。
これは体温との関係が深いからなんです。
いつもありがとうございます。理学療法士のとすけです。
今回は光と並んで睡眠との関係が深いとされる、体温について掘り下げていきたいと思います。
体温と睡眠の関係
ヒトの場合、体温は体内時計によって周期的に上がったり、下がったりすることがわかっています。(概日リズム)
ただし、一定の範囲内でコントロールされています。(恒常性)
皮膚面の体温は以下の図で示されるように、朝起きた時が最も低く、昼間にかけて体温が高くなり、寝る時間が近づくに連れて体温が下がっていきます。
睡眠もその体温の上昇や低下に合わせて誘発されたり、そもそも眠りにくくなったりすることがわかっています。
皆さんの場合でも、運動などをして身体が火照っているときには眠気は起こらず、少し時間が経過して汗が引いてくることに眠気が襲ってきたなどという経験があるのではないかと思います。
体温と眠気の関係は1999年の論文でも紹介されています。W
※この論文は有料です
スムースな睡眠を引き出すためには皮膚温度と深部体温の差を縮めることが重要であると論文内では紹介されておりました。
具体的には皮膚温度と深部温度は最大で2℃の違いを示すとされていますが、2℃を切り、より近づくことで眠気を誘うとされています。
また、深部体温と睡眠に至るまでの関係を示した研究もあります。
上の図からは
深部体温が低いと睡眠に至るまでの時間が短く、
深部体温が高いと睡眠に至るまでの時間が長くてなることが示されています。
体温と睡眠に関係した睡眠のポイントとして、西野精治さんの著書「スタンフォード式最高の睡眠」内では次のように紹介されています。
①覚醒時は体温をあげてパフォーマンス上げる
②皮膚温度を上げて熱放散すると、深部体温が下がり入眠する
③黄金(眠りはじめ)の90分中はしっかり体温を下げて、眠りの質を上げる
④朝が近づくにつれて体温が上昇し、覚醒していく
特に③については書籍や研究者によっては90分が120分だったりすることもありますが、眠り始めが重要であることに変わりはありません。
また、体温と睡眠だけでなく、運動のパフォーマンスや動作の正確性についても研究がなされており、
体温が高いとパフォーマンスが高く
体温が低いとパフォマンスが下がる
ということが報告されています。
体温を上手にコントロールすることは睡眠だけでなく、日々の活動にも大きな影響を及ぼしていることがわかります。
体温コントロールの工夫
入浴
入浴といっても湯船にしっかりと浸かることを指します。
38〜40℃程度のお湯に15〜20分程度つかることで体温を高めることで、一気に体温を低下させていく中で眠気を誘うことができます。
入浴のタイミングは寝る2時間前が理想的と言われます。
運動
しっかりと身体を動かした日はぐっすりと睡眠がとれた経験をされた方は多いのではないかと思います。
運動と睡眠の関係は徐々に研究されてきています。
運動を午前中や遅くとも午後の4時ごろまでに行うことで夜間の睡眠の質が良くなることが示されています。
運動内容もウォーキングを代表とするいわゆる「有酸素運動」だけでなく、「筋力トレーニング(ウェイトトレーニング)」も併用できると健康維持にも繋がります。
いかがでしたでしょうか。
今回は睡眠と体温の関係について紹介してきました。
体温をコントロールする工夫については別記事にてさらに深掘りして行きたいと思います。
久々の投稿でしたが、リサーチにだいぶ時間を要しているので、ボリュームよりも発信回数重視で行こうと思っております。
これからもよろしくお願いいたします。
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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